ぎっくり腰

今日はぎっくり腰について書かせて頂きます。腰痛のなかでも、重いものを持ち上げた拍子などに、急に痛みが現れる「ぎっくり腰」を経験したことのある方は多いでしょう。欧米では<魔女の一撃>と呼ばれるほど発症時の痛みは強烈です。グキッと一瞬にして腰に力が入らず、姿勢を変えようと体を動かすと痛みが走るので、「立てない」「動けない」「はうように」という表現を多くの経験者が語るのが、ぎっくり腰の特徴です。

ぎっくり腰は、医学的には「急性腰痛症」といい、急に発症した腰痛全般を指します。前述した非特異的腰痛の腰痛症の一種です。ぎっくり腰を起こしやすいのは、「前かがみの姿勢」や「急に姿勢を変えたとき」。床に落ちた物を拾おうと腰を曲げ伸ばしをした、人に呼ばれて後ろを振り返ったなど、日常のわずかな動作がきっかけで起こります。

原因として、筋肉や骨、背骨のまわりの軟骨、椎間板のトラブルなどが考えられますが、画像検査を行っても映し出すことができないことが多く、ほとんどの場合、原因がわかりません。

ぎっくり腰の対処法、治療法ですが、発症直後、痛みが強いときには、腰に負担がかからない楽な姿勢をとるようにしてください。「膝の下にクッションを入れ、腰と膝を軽く曲げて寝る」「膝を軽く曲げて横向きに寝る」などの姿勢が勧められます。ほとんどの場合、痛みは23日で軽くなり、1週間程度で軽快します。

以前は、ぎっくり腰を起こした後は、数日間は安静にすることが大切だといわれていました。しかし、近年では3日以上の安静は良くなく、痛みの範囲内で動いた方が良いとされています。さまざまな研究結果から、普段通り動いた人の方が、3日以上安静にした人よりも、その後の経過が良いことが分かっています。発症から23日後に痛みがやわらいだころから、多少の痛みを我慢して、動かせる部位は積極的に動かすようにしましょう。

ぎっくり腰を経験すると、その後の1年間で約4分の1の患者さんが再発するというデータがあります。再び<魔女の一撃>に苦しまないためにも、常日ごろから腰にできるだけ負担をかけないことが大切です。そのためには、ぜひ次の4つを守りましょう。 

  

1、無理な姿勢をとらないこと。前かがみの姿勢や重いものの持ち運びなど、腰に悪い生活習慣をなるべく避けるようにしてください。

2、猫背や片脚だけに重心をかけるなど、悪い体の使い癖に気をつけること。また、長時間の腰かけを避け、時折姿勢を変えるように工夫しましょう。

3、肥満を防ぐこと。太っていると体重が重い分、腰に負担がかかって腰痛が起こりやすくなります。

4、適度な運動や体操、ストレッチを行うこと。腰痛の軽減・予防に効果が期待できる運動や体操がさまざまなメディアで紹介されています。無理のない範囲で日常生活に取り入れ、楽しく体を動かしながら腰椎を支える腹筋や背筋を鍛えましょう。また、腰まわりのストレッチを習慣づけることも大切です。

多くのぎっくり腰は、急いで受診する必要のないものですが、加齢などによる腰椎の劣化の進行具合によっては、ぎっくり腰をきっかけにして徐々に腰部脊柱管狭窄や椎間板ヘルニアなどの慢性腰痛に移行していく場合もあるので注意が必要です。だからこそマッサージやストレッチを行い、普段から筋肉を良い状態にしておくことが大切です。

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